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MDR通信 8月号 各地域を考慮した医療の再構築を

最近、新型コロナ感染症の発生によって東京都の病院体制のあり方などがマスコミなどでも注目されていますが、都内360病院が参加する東京都病院協会では従前より、東京都の病院医療のあるべき姿について検討してきました。その集大成が、年1回開催される「東京都病院学会」です。新型コロナ感染症が蔓延する中、私は2020〜2021年の2年間にわたり東京都病院学会の学会長を仰せつかりました。第14回は2020年2月23日、第15回は2021年3月7日に行われました。

第14回は2019年12月末から新型コロナ感染症は世界に広がりはじめていたことを受け、苦渋の決断ではありましたが、会場開催は断念し学会誌上開催として行いました。そして、第15回は東京都医師会館内からWEB配信を行いハイブリッドでの開催といたしました。

発生前に決めた第14回の学会主題は「私たちはどう生きるか」副題は〜持続可能な病院経営を考える〜でした。新型コロナ感染症発生後の第15回の主題は同じで、副題は〜持続可能な病院医療を考える・コロナ禍に打ち勝つ!〜というものでした。

東京の民間病院の経営の難しさ

 

学会主題はあくまでも「東京の民間病院の経営の難しさ」とその存続についての思いを込めました。いずれの学会でも、東京都における病院について様々な視点から議論・発表が行われました。

東京は地価・物価・人件費において地方と比較して高額であり、経営上の支出が非常に多くなります。しかし、診療報酬は全国ほぼ一律です。そうした中でも病院数のうち民間病院が9割を占める東京においてはこれまで、それぞれの病院が最大限の経営努力をして何とか自院経営、そして地域医療を成り立ってきたという事実があります。

東京は地価・物価・人件費において地方と比較して高額であり、経営上の支出が非常に多くなります。しかし、診療報酬は全国ほぼ一律です。そうした中でも病院数のうち民間病院が9割を占める東京においてはこれまで、それぞれの病院が最大限の経営努力をして何とか自院経営、そして地域医療を成り立ってきたという事実があります。

これまでの医療費抑制政策の経緯を振り返ると、病院の数を減らせば医療費の増加は抑えられるといった単純な発想から地域医療構想などが進められ、病院は機能別に分けられました。そして一部の病院は閉鎖・統合され弱体化していきました。

また、東京は人が密に集まっている土地でもあります。日本国民の約1割が東京に集中しています。当然、医療体制もそれに応じたものが求められます。過度に病院を絞り込むことは、都民の生活を危険にさらすことにつながりかねません。まコロナ禍においてもそのことは再認識させられました。
単純に医療費を抑えることばかりを考えていると、必要な時に必要な病院がないということになります。
災害時にも同じことが言えるのではないでしょうか。
医療は地域ごとに別々に考えることが必要であり、医療費抑制ばかり考えず、むしろ安心して生活できる基盤をつくるという観点から、医療を再構築していくべきなのです。付け加えれば、病院が提供する医療・介護は、雇用を創出する側面もあります。その点からも、医療という分野を捉えなおすべきではないでしょうか。

   医療法人社団 愛育会 理事長
東京都病院協会 常任理事
竹川 勝治

竹川 勝治

社会福祉法人 愛郷会 理事長
日本慢性期医療協会 理事/北里大学医学部 非常勤講師
東京都保健医療計画推進協議会 委員
東京都医師会 病院委員
江東区医師会 監事/全日本病院協会 東京支部 副会長
日本医師会「指導医のための教育ワークショップ」修了(第72号)


 

「災害備蓄管理士」のお勧め

今日、自然災害の激甚やインフラの老朽化による社会や企業の危機管理が喫緊の課題となっています。我が国は地震をはじめ台風・津波・豪雨・豪雪・火山の噴火・雷・竜巻、そして高温災害と自然災害にさらされています。災害発生後、自助・共助・公助の基本的考え方のもと命の綱である水と食料をはじめとする災害備蓄品を供給する必要があります。
被災地には外部から早急に物資が支援される体制にはありますが企業や一般の家庭では直ぐに公助が来るとは限りません。先ずは自分達の命は自分達で守る、自助の意識を持って対応する必要があります。それには所謂「備える」ことが重要課題となります。
では「備える」とはどういうことなのか? 災害発生時に日ごろから保存が可能な水や食料をストックして電気・水道・ガスなどのライフラインがストップした時に役立つ災害備蓄品のことを言い例えば、水・食料・生活必需品と大小資機材のことを言います。
それらの災害備蓄品は復興・復旧までの長い期間使用するもので、現場の状況、またおかれた環境によって異なってくるので総合的に管理体制をつくりマニュアル化をすることが大切になってきます。
災害備蓄品の整備・維持は計画的にしっかり管理し、多種多様な災害備蓄品を使用別に分けて総合的に管理することが重要です。また、災害備蓄品の設置場所や種類を適切に管理して災害備蓄倉庫に貯蔵しておくことです。企業や行政は災害備蓄管理責任者をおいて平素から危機管理を行うことも大切であります。
災害備蓄管理者は災害備蓄品の総合的管理リストを作成し災害時での特に初動対応をシッカリとして適切に災害備蓄品を配布しなければならない。また、災害備蓄品は水や食料だけでなくライフライン回復等の資機材も重要な災害備蓄品の一種となっている。例えば発電機・工具類・ガスコンロ・ガスボンベ・軍手・ヘルメットなどは復興・復旧また、企業の再生として大事な災害備蓄品でもあります。

BCP(事業継続計画)の重要な柱として企業は体系的に災害備蓄を社内に徹底させ災害時にリーダーシップをとれる災害備蓄管理者、つまりは災害備蓄管理士なる有資格者を各部署ごとに配置し連携を図り緊急事態に備えることが大事であります。
我が国日本は自然災害の最も多い国の一つであり常に何処かで災害にさらされている状態でありそれらにいかに備えるかと言うことが防災・減災につながります。
そこで災害備蓄品としてのハード機器や情報機器の技術の進歩はめざましく内外の自然災害の際にも極めて有効にそのスキルを発揮します。今や日本は「防災先進国」と言われて防災によって持続的な成長を可能にし、経済的な維持を計り国の社会的損失を防ぎます。
また、ソフト面に於いては災害時の心構えや自助・共助・公助の相互助け合い精神の意識の高揚が図られて「心の備え」も重要視されるようになってきました。

災害備蓄管理士

 

こうした災害時のハード面とソフト面の両方で我が国は災害時に防災大国・防災先進国と呼ばれ防災技術を世界へ輸出し日本経済の成長と国際貢献を同時に達成可能となるように努めています。企業をはじめとして、地域(行政・自治体)学校・病院・各施設・自治会などは全てが「備える」ことの重要性を認識してそれぞれに災害備蓄を実践し災害備蓄管理士を配置して安全・安心に配慮をしてもらいたく考えます。
企業等の危機管理はもはや必然的な日常業務であり社員や職員の安全・安心を守るために防災担当者に対して最低限の防災・災害の知識・情報として災害備蓄の基本的講習を促して社内災害備蓄管理を行うための災害備蓄管理士の資格を取得することをお勧めいたします。

一般社団法人 防災安全協会 理事長
斎藤 実

斎藤 実

 

 

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