東日本大震災から2年が経過した。復旧、復興も覚束ないというのに人々の危機意識は風化していく傾向にあるのではないだろうか。
政府の地震調査研究推進本部・地震調査委員会は、2004年に南関東を震源とするM7級の地震の発生確率を「30年以内に70%」と予測した。2011年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)後に、全国で地震発生数が増加し、首都圏とその近傍でも、房総沖、茨城県沖などを震源地とするものが多発している。2013年2月1日には、東京湾の下70kmで、マグニチュード(M)4.4の地震が発生し、足立区などに震度3が記録され、4月17日には三宅島近海でマグニチュード6.2の地震が発生し、三宅島で震度5強が観測された。首都圏では、何時大規模な地震が発生してもおかしくない状況であり、地震への備えを進める必要がある。
国や自治体ではそれぞれ地震や災害への備えと対策を発表しているが、我々は平時でも問題となっている救急時医療体制が災害時に想定される連鎖的に発生する災害医療分野でのどうしても避けなければならない最大の混乱、脅威であるDMC(Disaster Medical Complex)への対応を問題視して提言を続けています。
今回は東京大学地震研究所の平田教授からの地震最新情報に加えて、災害時に於いて、より現実的で実際的な問題点となるであろう災害時での一次対応者(ファーストレスポンダー)育成の必要性と日本政策投資銀行BCM格付主幹で話題の蛭閏芳樹氏を招き、防災と金融について、更にパネルディスカッションでは各界の専門家と災害時に如何に子どもを守るかにスポットを当てて皆様とご一緒に考えてみたいと存じます。
公私共にご多忙とは存じますが皆様のご参加をお待ち致しております。
一般社団法人 日本医療資源開発促進機構
会 長 山本 保博
セミナー概要
開催日時 |
平成25年7月10日水曜日 |
会 場 |
東京都千代田区飯田橋3-13-1 飯田町ビル(2階202会議室) |
開 場 |
午後1時 |
開 催 |
午後1時30分〜午後5時 |
後 援 |
株式会社 産業経済新聞社 |
セミナープログラム
13:40〜14:25 |
「ファーストレスポンダー(一次対応者)育成の重要性」
講師:山本保博 日本集団災害医学会代表理事 東京臨海病院院長 |
14:25〜15:05 |
「東日本大震災後の首都圏の地震リスクとは何か?」
講師:平田 直 東京大学地震研究所教授
(文部科学省首都直下地震防災減災 特別プロジェクト研究代表) |
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15:05〜15:20 |
《 休 憩 》 |
15:20〜16:10 |
「官民協調で実現する日本社会に適したレジリエンスの構築」
―地域社会、産業、都市、国家(ナショナル)レジリエンス向上のための社会技術―
講師:蛭間芳樹
株式会社日本政策投資銀行BCM格付主幹 世界経済フォーラム
リスク・レスポンス・ネットワーク パートナー
東京大学生産技術研究所 都市基盤安全工学国際研究センター 協力研究員
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16:10〜17:00 |
パネルディスカッション
「災害から子供を守る〜こどものために何が出来るか〜」
パネラー:青木康平 東京都港区 防災危機管理室長 |
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パネラー:吉田穂波 国立保健医療科学院
生涯健康研究部母子保健担当 主任研究官 |
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パネラー:佐藤誠一 加藤学園暁秀初等学校 副校長 |
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パネラー:藤田 洋 ミキハウス子育て総研株式会社 代表取締役社長 |
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パネラー:蛭間芳樹 株式会社日本政策投資銀行 BCM格付主幹 |
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司会進行:野口英一
公益財団法人 東京防災救急協会救急事業部 |
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同時開催 普通救命講習のご案内
ファーストレスポンダー育成のために
少しの勇気で助かるはずの、大切な命。
救命の連鎖。これこそがファーストレスポンダー制度の主旨です。
これまでは、総務省消防局・東京消防庁・日本救急医学会が、医学医療知識のある医療従事者を対象として、救急対応への啓蒙活動や講習会を行ってきました。近年、災害現場等で必要な救急対応が出来る人を育成するために、一般市民を対象とした「ファーストレスポンダー制度」がスタート致しました。正式には「エマージェンシー・ファースト・レスポンダー」通称EFRと呼ばれています。 講習内容は、世界の医療用ガイドラインに沿っています。
首都圏のような人口密集地域で、大きな地震などの災害が発生した場合、建物崩壊や道路の陥没などで救急隊員が現場に駆けつけるにも、平時の何倍も遅くなるのは確実です。家屋が崩壊し、家族が下敷きになっている。怪我をして、大量出血をしている人がいる。心肺停止の人がいる助けを呼んだが、救急隊員はいつ到着するのか判らない。そばにはアナタしかいない……。
そんな時、あなたは何が出来ますか?
避難所や救護所まで駆けつければ、AEDや医療セットがあると解っていても、扱ったことがなければ触ることさえ躊躇してしまうでしょう。怖い、出来れば関わりたくない……多くの人が、そう思うでしょう。
救助やケアなどは完璧を求めるものではありません。皆さんは完璧を求めようとしているから、自信が持てずに怖くなるのです。完璧を求めて何もしないより、不完全でもいいから何かした方が良いのです。もし目の前に心肺停止状態の人が倒れていたら、状況はそれ以上は悪化しません。その状況が、既に最悪だからです。救急隊が来るまで、何かをしてあげるべきなのです。私たちは災害発生などの緊急時に必要とされる一次対応者を一人でも多く育成しておくことが大切と考えて公益財団法人東京防災救急協会の全面的な協力のもと、下記の通り、講習会を開催致します。ひとりでも多くの方の参加をお待ちいたしております。