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MDR通信 7月号 新型コロナ感染症(Covid-19)と救命救急センター

当救命救急センターは2020年2月の横浜港・ダイヤモンドプリンセス号への対応への関与から、最初の重症管理(人工呼吸管理治療)を3月29日に始め、早々のVV-ECMO治療(4月1日)を経験して以来、第1、2,3波を経て、第4波収束の2021年6月末までに113名の重症・新型コロナ感染症患者の治療をして参りました。

それぞれの施設における治療経験をもとに重症患者に対する治療戦略は分かれていますが、我々は早期に人工呼吸管理を導入する方針をとり、人工呼吸管理中のリハビリを積極的に導入しながら早期・重症管理離脱と社会復帰(廃用進行の抑止)を目指す戦略で実績を重ねています。そして救命救急センターとして多様に重症患者の診療を担うことは当然である故、同一期間中にも平時と同様に重症患者の受け入れを制限することなく診療を続けられていることは、我が救命救急センターの100人余で維持・運営している多職種連携の賜物と信じて疑わないものであります。それとともにまったく人員の変更なく、今までもそしてこれからも我々の使命を果たすべく従事しているスタッフ全員には敬意と感謝を表さずにはいられません。

VV-ECMO装着症例
VV-ECMO装着症例

 

既に次の感染拡大(第5波)の襲来が予測されるなか、東京オリンピック/パラリンピックの開催も控え、「重症感染症診療」「救命救急医療」「マスギャザリング」そして時節柄「熱中症」も加わるといった難題に立ち向かうべく準備を進めており、この通信が皆様の手元に届くころには、我々の持てる力を発揮して地域の救急医療を堅守していることと思います。

ここからは「コロナ禍」に思う私見を述べたく思います。確かに経験したことのない新興感染症と対峙しています。我が国の今までの医療対応、感染の現状、そして近々の課題として遂行されている「ワクチン接種事業」について、それぞれが他国の現状に比して否定的な見解を主体に報道・発信されています。確かによりよくあるために「検証・改善・実行」は必須ではあります。が我々の置かれた現状が、真に日々の悲観的な境遇にさらされているのだろうか? 決定的に感染者や死亡者数の多い欧米諸外国の医療事情・実績を経て、ワクチン接種の現状があることと我が国の現況を詳細に分析し評価しているとは思えず、あるいは国民の生活様式も含めて真の様相を伝えているのかどうかに疑問を感ぜざるを得ない日々が続いています。

集中治療室内に隔壁を造設し徹底した感染管理体制を確立して診療している
集中治療室内に隔壁を造設し徹底した感染管理体制を確立して診療している

 

陰性情報一辺倒な境遇には失望し、建設的な思考でない一部の社会には嫌悪を感じます。真摯に対峙していればそのような感情など生まれるはずもないというのが私の心境です。こういった考証は未来の礎となればよいわけで、我々はこういった現状を「他山の石」として肝に銘じて進むべきと思います。大切なのは自分に与えられた使命と現状に真摯に向かい対峙していくことなのだと思いますし、我々救命救急センターはそれを続けて今があり、これからもそれを続けることで責務を果たしていこうと考えています。次の世代の遭遇する各種の災害に向け、我々の歩みは貴重な財産なのだと自負して日々進むべきと思います。

日本赤十字社医療センター・
救命救急センター長
林 宗博

林 宗博

 

サステナブルな時代に必要とされる防災対策と安全性

本格的な夏の到来を前にしたこの時期は、各地で防災週間や防災イベントが設けられています。災害は何気ない日常の中で突如として起こります。近年、大型台風や局地的豪雨とよばれる大規模な自然災害が増加し、インフラの老朽化や非常用電源のメンテナンス不足等の社会課題が一気に顕在化し、私たちの生活や社会経済活動に大きな影響を及ぼしてきました。
実際に起こった過去の大型台風被害から、防災対策の重要性をお伝えします。
2019年の台風15号では、関東地方を中心に約93万軒の停電が発生し、停電解消と発表された15日後も、一部の世帯では家庭への引き込み線や電気設備の不具合で「隠れ停電」が続いていたケースもあり、被害は深刻なものでした。
同じく、2019年に起きた台風19号では、52万戸を超える停電が発生し広く避難勧告が出されましたが、暖房設備が整っていない避難所や満員で受け入れができない施設が多く、避難住民の受け入れが課題となりました。
その他、台風以外の被害による停電事例としては、2018年の北海道胆振地方東部地震があげられます。北海道全域で大規模停電、いわゆる「ブラックアウト」が起こり、想定を超えた被害が発生しました。
こうした過去の災害を振り返ると、「事前の備え」がいかに重要であるか、中でも「安全で持続的」な電力の供給が特に不可欠だと感じます。災害時には特に、連絡や情報収集のために携帯電話を充電しておくことや、熱中症対策として扇風機や冷蔵庫、寒冷対策として暖房設備を使用できるようにしておくことが、生命をつなぐライフラインとなります。

蓄電システムの導大規模災害を経験された自治体では電気の備えを重要視した社会づくりが意識され、蓄電システムの導入が進んでいます。私たちの蓄電システムもこれまでに多くの自治体に導入され、災害時にも活用いただいています。
また従来の避難所だけではなく、民間施設でも避難所として防災対策を取り入れる取り組みが広がっており、携帯各社は2019年初旬に、全国のショップへ蓄電システムを導入しました。当社は、株式会社NTTドコモショップへ「POWER YIILE 3」を納入しています。同製品は、組み立てや設置工事が不要で、コンセントにつなぐだけですぐに使える蓄電システムのため、停電や災害発生時の非常用電源として、さまざまな状況においても電力を供給することができます。

一般家庭でも蓄電システムのニーズは高まっており、大和ハウス工業のスマートハウスを中心に、住宅用蓄電システム、集合住宅向け蓄電システムなど幅広いラインアップを揃えており、累計出荷数は66,000台を超えました。

私たちの蓄電池は、国内の自社全自動工場で製造している、世界ではじめて国際的第三者認証機関TUV Rheinland(テュフ ラインランド)の安全基準認証「TUV-Sマーク」を取得した安全で高性能な定置用大型リチウムイオン電池です。ひとの生活の近くに置くものは安全でなければならないため、製造した電池は「釘刺し実験・圧壊試験」と呼ばれる試験を実施し「釘を刺しても、押しつぶしても発煙、発火しない」ことを確認しています。災害時に発煙や発火という二次被害を防ぐことは、分散避難や垂直避難(災害発生時に今いる建物や付近の建物のなるべく高層階へ移動する避難方法)といった新たに推奨されている現代の避難方法にも必要とされる性能となります。

「圧壊試験」
「圧壊試験」

 

もう一つ、当社の蓄電池の特長は地球環境に配慮し、希少金属を使わないクリーンな蓄電池であることです。近年は、あらゆる事業体でサステナビリティ性が重要性を増していますが、私たちは創業当初よりクリーンな電池作りを目指してきました。

POWER YIILE 3出力調整が出来ない原子力発電や、逆に出力変動の大きい自然エネルギーをリチウムイオン電池に蓄えて効率的に使うことは、サステナブルな取り組みになります。地球温暖化を防ぐために、エネルギーを無駄なく使うことで、地球環境問題の解決に、皆さまと一緒に貢献していきたいと考えています。

エリーパワー株式会社代
表取締役社長 兼 COO
小川 哲司

小川 哲司

 

 

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